2018/01/30

いじめられてるやつ、東大に行け!

「東大に行け」ってのは冗談ですが(三四郎ANN参照)
もしも いじめでつらい思いをしている中高生くらいの方と
話ができることがあれば、こんな話をしたいなあ。長いです。

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いじめられている方へ。
「いじめ」なんて簡単な言葉で片づけてほしくないですよね。
ことばや態度の暴力。虐待。傷害。そんな風に表現できる、残酷な仕打ち。
毎日、いじめてくる人間と顔を合わせるのがつらいです。
毎日、学校や部活に行きたくないです。
毎日、恐怖とともに目が覚めます。
時々、死んだ方がいいなんて思うこともあります。

残念ながら、この世からいじめがなくなることはありません。
それは社会のシステムがいじめを必要としているからです。
いじめがないと、社会の仕組みがうまく機能しないからです。
「なんで自分が被害者にならなくちゃいけないんだ!」
って思うと思います。わかります。
簡潔にいうと、あなたが標的になったのは 偶然 です。
多くの場合、いじめられる側に原因があるわけではありません。
だからまず「自分の何が悪いんだろう」と悩むのは、
時間と心の無駄遣いなのでやめてOKです。

いじめのレベルは場合によってまちまちですが、
耐えられないと感じるならば、嫌なこと全てを拒否してください。
学校行かないのOK。部活行かないのOK。誰とも会わないのOK。
できれば誰かに話してほしいけど、無理なら話さなくてOK。
とりあえず、いじめてくる人間とは絶対に会わず、
嫌な情報が入ってくるならLINEやらSNSやらもブロックして、
自分にやさしくしてくれる環境に身を置いてください。
ネットで話をいい感じに聞いてくれる場があれば、そこに頼ってもOK。
わたしも中学のころインターネットに救われて、
東京や大阪まで仲間たちに会いに行ったことがあります。
面識ない人に会うのはちょっと危ないけど、
自分にとっては、よっぽど今の状況の方が危ないんですよね。

そして、独学でも家庭教師でも塾でもいいから、勉強をしてほしいんです。
勉強が死ぬほど嫌いだったら芸術でもスポーツでもいいんですが、
勉強が超苦手ってほどでもない、そこまで抵抗がない方に、
わたしが一番におすすめしたいのは勉強です。理由は4つ。

1つ目は、集中できるからです。これは芸術やスポーツでも同じ。
何もしていないと、いじめのことばっかり考えてしまいます。
勉強、芸術、スポーツを全力でやっていると、
脳も 今やっていることに使うだけで容量が一杯になって、
いじめのことを考える時間が格段に減って楽になります。
集中しきれない時は、指導者をつけるとよいでしょう。

2つ目は、勉強は自分を裏切らないからです。
これもある程度、芸術やスポーツにもいえることですが、
努力をすると必ず結果が出ます。点数がとれると自信がつきます。
自信がつくと、いじめられていることがちょっと気にならなくなります。

3つ目は、質の高い人生を送れる可能性が高まるからです。
学校という小集団で、現時点ではあなたのほうが身分が低いかもしれない。
だけど世界はもっと広いし、人生は長い。
あなたが優秀になるほど お金も人も集まってきますし、
わざわざ いじめなどという低俗なことをしない
レベルの高い人間とのみ関係を築いていけるようになります。
将来的に得られる金銭的・社会的・精神的な豊かさで勝負しましょう。
(いじめられる経験によって人の痛みがわかる時点で、
すでに精神的にはあなたのほうが成熟しているかもしれません)

4つ目、これが勉強をしてほしい一番の理由ですが、
いじめのシステムを理解できるからです。
いじめられている人のつらさを助長しているのは、
「いじめられている理由がわからない」ということです。
仕組みを理解しないまま悩み続け、いじめられる自分が悪いんだと
自分を責める方向に行ってしまうこともあります。
わたしは大学に入って、社会の成り立ちや自己と他者のあり方、
そしてあらゆるかたちの人間関係の仕組みを徹底的に学びました。
いじめがなぜ起こり、なぜくり返し、なぜなくならないのかについて
自分の解釈をことばで説明できるようになりました。
わたしがそれらを学んでいった時期には
すでにいじめられた中学時代から5年近く経っていましたが、
ずっと胸の奥につかえていたものがようやく少し溶け出した感じがしました。

「わからない」ということは、ずっともやもやした状態で
悩みや不安みたいなものから抜け出せず、苦しいものです。
逆に「わかる」ことによって、渦中にいる自分の視点だけではなく、
外側にある視点からいじめについて考えられるようになって
めちゃくちゃ楽になります。少なくとも、わたしは楽になりました。
大学まで待てない、なるべく早くわかりたいという方は、
5教科の勉強だけでなく早速読みやすい新書から入るのもよいと思います。
なんかは結構おすすめです。
(でもなるべく良質な環境で学ぶために5教科も頑張ってほしいなあ)

若い人はどうしても、必死に勉強するのはダサいみたいな
「ガリ勉」的な発想をしてしまうかもしれないんですが、
大人になったときに頭が悪いよりは良い方がなにかと便利です。
それに、大学に入ってから学ぶ内容ってすごく面白いんですよ。
これを理解できるレベルの頭を作るために
高校までの(やや無意味にも感じた)勉強があったんだ~って思いました。

知識をつけることや自分のことばで世界を捉えられるようになることは
つらい時にかならず自分を救ってくれるとわたしは信じています。
いじめがつらいなら、いじめから逃げて、
どうか勉強をしてください。